大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和32年(オ)212号 判決

主文

原判決を破棄し、本件を広島高等裁判所松江支部に差し戻す。

理由

職権によつて調査するに、原判決の基本たる口頭弁論に関与している裁判官は、裁判長裁判官岡田建治、裁判官竹島義郎、同黒川四海であることは記録上明らかである。然るに原判決には、判決をなした裁判官として、裁判長裁判官岡田建治、裁判官組原政男、同竹島義郎の署名捺印がなされていることが明らかであるから、原判決は民訴一八七条一項に違反し判決の基本たる口頭弁論に関与しない裁判官によつてなされたものに外ならず、同法三九五条一項一号に該当するものとして、論旨についての判断をするまでもなく破棄を免れないものといわなければならない。

よつて、民訴四〇七条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例